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三十六

「じゃあ、菖蒲殿が男というのはぁ?」


「え?」

 これには破近、少々考え


「世の中な、科学で解けないもんも、まだぎょうさん残ってるちゅうこっちゃ」


「そうでしたかぁ」


 話を先に進めたい破近


「ほなら、事件について話すで」


 だが、何ら動こうとしないのを見た喜助が


「あれ? 例の十八番の絵は描かないんですかい?」


「今回はな、そこまで必要ないねん」


「そ、そうですか」


「ほな、ええか?」


 ここで破近、懐から何やら取り出してきた。


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