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三十七

 この部屋に鍵がない以上、無防備と言えよう。ならば、寝ずに過ごすしかない。

 しかしながら、襲われればひとたまりもないのも事実だ。

 となると、対抗すべき何か武器代わりの代物が必要になってくる。


 私は、急いで厨房へと向かった。



 厨房について早速見回すと、立てかけられている数本の包丁が目に入ってきた。

 ではこの中の一本を……


「何をお探しで?」


 心の臓が飛び出す思いだった。

 思わず振り向いた先には、清次さんが立っている。


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