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二十七

 急いで中に入ろうとしたが、やはり同じく腰砕けになってしまった。

 だがこの時、五平さんが中へと入り、善次郎様の首筋やら手首やらに触れたあと


「もうダメだ」


「ダメだって? ど、どう意味で?」


 こんな清次さんに振り向いた五平さん。唖然とした顔で


「ダメだは、ダメだ以外のもではなかろう? 要は、死んでるって事だ」


 これに慌てて、這ったまま近づく清次さんだったが


「あっ」


 と一言だけ声を発した限り、何もしゃっべってはこない。


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