二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

十八

　はたして善次郎様が言われたとおり、次々と待ち人が顔を見せてきた。

「遅れました。常蔵と申し、江戸より参りました」

　このかなり目方のありそうな男、だが穏やかそうな顔をしている。年は四十前後か。

　次に座敷に現れた男は、痩せぎすで善次郎様と同じくらいの四十半ばとお見受けしたが、たったの一言だけ

「五平という」

　これ以降は、ひたすら無言と決め込んでいる。

　そしてようやく今、最後の人物が慌てながら座敷内へと入ってきた。