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「旦那? 一体何事で?」


 呼ばれてやってきた喜助。


「おまえさんな、この事件って知ってるんか?」


「ん?」

 渡された事件簿に目をやった喜助、やがて


「知ってますよ、それ。確か旦那が、蘭国船で楽しんでおられた時でしたよ」


「あ、アリエント号の時かいな……って、わい死にそうになったんやで!」


「こりゃどうも」

 喜助、頭を掻きながら


「この女房、亭主は他人様を殺めるような真似などしない……とにかく、この一点張りでしてねえ」


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