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五十一

「そうでしたか?」


 だが、構わず先を進める数馬


「ええ。上できつく括られています」


 これに信吉も


「えっと……じゃあ、賊はここから?」


 これに数馬が頷き


「おそらくは」

 この時、昨日同様に洗面器と手拭とをを持って戻ってきたお邦。

 そして、これまた正確な役者が


「外を見てきます」


 そう言いながら扉へと近づいている。


 そして信吉も


「あっしも、この手押し車を倉庫まで戻してくるよ」


 そう言って、手押し車に手をかけたところ


「え?」


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