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三十七

「ちょ、ちょっと、何を顔真っ赤にして? 気でも違って」


 それにも構わず、相手は無言のまま、さらに喜助を睨みつけ


「んもうってば! 何考えてるんだか!」


 思わず喜助、部屋の端まで逃げ出してしまった。


「ふう、こら疲れたわい」

 肩で息をしている親分、逃げた喜助を見やり


「ほら! てめえだって、わしの殺気に気づいたじゃねえか!」


「へ?」


「アッハッハ! こらええわ!」 


 この一部始終を笑って見ていた破近


「ほな、緑丸。先続けてみ」


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