547/3502
二十三
「ええ、そういう事ですが」
ここで相手が首を傾げ
「しかし、賊が煙突から侵入したんでしょ?」
「それも一つ。内部の可能性も一つ」
「ええっ?」
そんな驚いてる相手に
「なあ、誰か故人はんに恨みなんぞ持ってなかったでっか?」
「ご主人に恨みを?」
「はいな。金銭の事とか、ですわ」
この一言は効いた。黙ってては己が疑われてしまう――咄嗟にこう考えた又八
「実はここだけの話、信吉のやつ、ご主人に結構な借金をしてたみたいで」
「ええ、そういう事ですが」
ここで相手が首を傾げ
「しかし、賊が煙突から侵入したんでしょ?」
「それも一つ。内部の可能性も一つ」
「ええっ?」
そんな驚いてる相手に
「なあ、誰か故人はんに恨みなんぞ持ってなかったでっか?」
「ご主人に恨みを?」
「はいな。金銭の事とか、ですわ」
この一言は効いた。黙ってては己が疑われてしまう――咄嗟にこう考えた又八
「実はここだけの話、信吉のやつ、ご主人に結構な借金をしてたみたいで」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。