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二十

「ああ、もちろんその可能性もありまっさ」


 これに首を傾げている数馬


「その? では、他には?」


「ここの住人はんですわ」


「え?」


「それより、さっきの続きは?」


 ここで、当然疑われたくない相手、周囲をうかがいながら


「実は、ここだけの話ですが」


「ん?」


「又八さんが、日頃より先生の悪口ばかり言っておりまして」


「何て?」


「もらってる給金が約束と違うとか、金に汚いとか……あ、もちろん私が言ってるわけじゃないですよ!」


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