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六
ぬかるみの残る中、泥を跳ねながら窓のところまでやってきた二人。
先に窓より中を覗いた数馬だったが、何故か一言も発してはこない。
これに背後より急かす又八
「いってえ、どうしたんで?」
ようやく返事をした数馬だが、振り向こうともせず
「先生……刺されてる」
「さ、さ、刺さ、って?」
これに答えず、下にあるこぶし大の石を拾い上げた弟子。すぐにそれで窓を叩き割って部屋の中へと入り、卓に伏している相手の傍に屈み込んだ。
ぬかるみの残る中、泥を跳ねながら窓のところまでやってきた二人。
先に窓より中を覗いた数馬だったが、何故か一言も発してはこない。
これに背後より急かす又八
「いってえ、どうしたんで?」
ようやく返事をした数馬だが、振り向こうともせず
「先生……刺されてる」
「さ、さ、刺さ、って?」
これに答えず、下にあるこぶし大の石を拾い上げた弟子。すぐにそれで窓を叩き割って部屋の中へと入り、卓に伏している相手の傍に屈み込んだ。
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