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二十一

「という事は、甚九郎さんって自害したの?」


「そやねん、とっちゃん坊や。自害としか思えへん……」

 破近、己自ら吐いた言葉だったが


「何や、引っかかるけんどな」



 ようやく自宅に戻ってきた破近。そこに


「こーひー、どうぞ」


「お、気が利くやん!」

 思わず喜んだ破近、相手に向かって


「なあ、緑丸? おまえさんな、赤死館っちゅうの知ってる?」


 これに緑丸、即座に


「甚九郎さんのからくり屋敷でつね? 何しろ、伊賀の大先輩でつから」


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