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「ああ、甚九郎はんやわ。胸に小刀が突き刺さったままや」

 そう言いながら屈みこんで検めだした破近。

 そこに喜助が


「戸を開けてる最中に仏さんになったんじゃ……旦那が、もっと早く加勢してくれてたら」


「阿呆抜かせ、人聞きの悪いやっちゃな。これな、仏さんになってかなり時間が経ってるで」


「そ、そうですかい」


 ここで立ち上がった破近


「まだ、下手人が近くにいるかもしれへん」 


 そう言いながら、奥の部屋へと踏み込んだのだが。


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