二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

八十

　それにゆっくりと相手も

「そうだな」

　そして顔を上げ

「鈴木様でしたね？　仰せの通り、この孫一が三人に手をかけました」

　だが弟の方も

「そんな！　この私めも、です！」

「まあまあ、それは後からでええさかい。当時の状況ついて、話を始めてくれへん？」

「あ、はい」

　孫一、これに素直に頷き

「毎朝散歩に出かけるのが母の日課でして。それが、その日はなかなか戻っては来ず、心配になって辺りを探し回っていますと」

「見つけたんやな？」