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三十二

「はあ、もう! なんちゅう身勝手なやつらやねん!」

 大声で叫んだ破近だったが


「でも、ここどこやろか?」




「大切なかんざしがないですう!」

 家に戻った蕾、それはもう一大事だ。何しろ、ご主人に買ってもらった物である。


「きっと、ご主人様の家ですう!」


 そして再び訪れた破近だったが


「戸、閉まってますう。それに、灯りも点いてないですう」

 だがそこはくの一、簡単に家の中へと侵入し――


「あららあ? か、影も形もないですう?」


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