二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

十九

「ご主人様！　大当たりですう！」

「大当たりて。んもう、何してるん？　世間で大騒ぎになってるんやで」

「あ。でも素人相手なんでえ、控えめに火を吐きましたからあ」

「はあ。そんな問題ちゃうけんど」

　ここで、ようやく本題に戻した破近

「で、今回の事件やけんど。二つの共通点が問題やな？」

　これに喜助が

「娘と野郎。呉服問屋に寺子屋……特にこの辺りには共通したとこは」

「そやな。それに仏さん二人とも評判は良かったみたいやし」