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十五

「あ、あんたあ!」


 ござに横たわる男を一目見た女、大声を上げ、その場に崩れてしまった。

 それを見た破近


「喜助。これ女房かいな?」


「へい。お時って言います」


「そか」

 ここで破近、女の隣に跪き


「お時はん、胸中察ししますわ」


「は……い」

 そしてお時、ゆっくりと顔を上げ


「お、お役人様、い、一体誰が?」


「一刻も早く捕まえますさかい。で、旦那はん、いつから家には戻ってまへん?」


「暮れに、寺子屋に行くって出かけたまま」


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