二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

七十九

「うんうん。確かに、その通りだろうね」

　二度ばかし頷いた姐さん

「となると、それらの話の一つ一つを改めて確認してみようか？」

「破近様風には、吟味でつね」

「あはは、まさにそうだねえ」

　破顔一笑した姐さんだったが、すぐに表情を戻し

「ここにやってきて、まず聞いたのが……島には、和井田家と小前田家があって……」

　だが、これを中途で遮ってきたのが

「他に誰か住んでるかもお！」

　そんな蕾、すぐさま外へと飛び出していった。