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七十四

 はたしてそこには、網を結っている――


「あ、お爺さん。こんにちは!」


 てっきり無視されると思った緑丸。ところがどっこい


「小僧よ。ここに、何しに来た?」


「え? あ、はい。お君さんと知り合いで」


「……お君のか」


 表情を険しくした相手だったが、やがて再び下を向いて作業をしだしている。

 一方の緑丸も、黙ったまま。そう、先に言葉を発した方が突っ込まれそう――そんな雰囲気。


 暫し経ったあと


「そろそろ晩御飯を食べなきゃ!」



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