二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

七十一

　これに、今度は緑丸が

「仮に小前田家としても、他に三人の女の人もいまつよ」

「どうせえ、お主だ一家がつるんでやったんですう」

「まだ何の証もないでつ」

「じゃあ、取っ捕まえて白状させますう。じゃないと手遅れになるかもお」

　過激だが、一理あるかも？

　ここで、二匹のやり取りを見守っていた姐さんが

「二人とも言い分はわかるけどさ、もう一寸だけ考えてみないかい？」

　これに緑丸

「お滝さんが、何故出ていったかが気になりまつ」