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六十八

 緑丸と交代して、まずは手を合わせる姐さん。


「失礼します」

 そして着物を静かに捲りだし――


「ん? こりゃどう見たって、他よりも傷が深いよ」


 これに思わず緑丸も覗き込み


「はい。刃物で刺された跡だと思いまつ」


「となると……」


 眉間に皺を寄せる姐さんだったが、この時デカい声で


「そんなもん、お主だ家のクソ爺の仕業に決まってますう!」


 すでに婆様は部屋へと戻っていたが、まだお君が残っていた。


「お、小前田の弥太爺が……」




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