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六十四

「あっちの方の崖下の岩場に這いつくばっ……うっぷ!」


 すはやく蕾の口を手で塞ぐは緑丸、代わりに


「うつ伏せで倒れておられたでつ」


「が、崖の下だって? それってさ、誰かに突き落とされたってこと?」


 これにすっくと立ち上がった少年


「そこは、もう一度行って調べてきまつ」


「じゃあ、この私も」

とは言ったものの、振り返った姐さん。無論そこには嗚咽しているお君がいる。


「こりゃ放っとけないなあ……じゃあ、悪いけど頼むよ」




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