3477/3502
五十八
そして翌朝。さすがに、昨夜の飯には芋は出でこなかったが――代わりに、夜明け早々に出てきたのが
「ね、姐さん!」
蕾、緑丸、冷奴さんと、まさに川の字に寝ている三人だったが、見事叩き起こされ
「ど、どうしたんだい?」
「こ、これを」
何やら差し出してきた、お君さん
、
「ん?」
姐さん、瞼を擦りながらも紙切れに目をやり
「な、何だって?」
「い、いないんです、母上が!」
そこには
――少々気になることがあり、外へと出かけます
「蕾ちゃん。風邪気味で、喉痛いっす」
「ほんなら、マキの喉にネギを巻きますう」
「頼んます」
「よいしょっと……ギュウギュウ」
「げえ!」
「ほらあ! 熱も血の気も失せましたあ!」