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第九話 悪魔が酔ってクダをまく 一
ここは栄町の料理屋、さすがに今夜は賑やかである。
「ほな、今から忘年会始めるさかい! 今夜は無礼講や!」
この言葉に喜助
「お、そいつはいいや!」
「阿呆! おまえはいっつも無礼講やろが!」
これに
「そ、そうですかい?」
「ああ、そや。毎朝、わいの貴重な一時を邪魔しにきよるし」
「そ、そいつは事件の報告ですよ! 仕事じゃないですかい?」
ここに冷奴姐さん
「まあまあ、お二人さんとも。大晦日くらい、仲良くやりませんかい?」
*横溝正史「悪魔が来たりて笛を吹く」への、ほんの1%のオマージュ