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三十六

「てへっ」

 ペロリと舌を出しながら、耳たぶ辺りで箸にて蛸をつかんだまま


「これぞ真の耳タコでしたあ!」


「はいはい。で、このとても細い光物って何でつ?」


「それぞ細魚なのだあ!」


 もしここに婆様が同席していたら、そらもう大変だったであろう。


「これがでつか。じゃあ、さぞかし本人も……」


 これに変人


「小骨だらけだったりして……ププッ」


 ここで姐さん、ぬるくなってる空気を元に戻し


「お君ちゃん? こんな時になんだけどさ」



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