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三十五
「次に漁師になったのはいいんでつが、日に焼けるのが嫌だと飛出し……」
「で、挙句の果てに、くの一?」
「みたいでつ」(※)
「でもさ、一番きつい仕事だと思うんだけどねえ」
これに緑丸、キッパリと
「江戸一番の変人でつから」
「豪華だねえ!」
目の前の刺盛に、思わず声を上げた姐さん。
「鱈腹食べてくださいな」
そこに
「この光物は何と言う魚でつか、元漁師さん?」
こう言って緑丸、その顔を向けたところ
「……もうわかったでつから」
※前作『青き目をした同心』第十二話 その二十二を参照……しました。って、己自身がかいな!