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四十二

「誰が鬼だと?」

 そう言った男、すぐにおマキに気づき


「おおお! ぶ、無事だったか!」


 そしてすぐさま、愛娘をヒシと抱きしめている。

 一方の抱きすくめられている娘、相手の横顔を見やり


「鬼の目にも涙なのだ!」


 これにバカ受けの破近


「アッハッハ! まだ言うんか? ホンマ、おもろい子やわ!」


 それにおマキも、初めて笑顔を見せ


「えへへ」


 この時


「ご主人様あ!」


「ん? 蕾かいな……っちゅう事は、あの頭、おまえが燃やしたんやな?」


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