3441/3502
二十二
ご主人様の制止も何のその――その口より吐かれた炎、離れた松の木を一瞬にして燃え尽くしてしまった。
「ぎ、ぎゃっ! て、天狗だっ!」
破近、腰を抜かした相手に
「な? そんじょそこらの、おなごとちゃいますねん」
「くれぐれも、姐さんのこと頼むわな!」
沖に向かう舟に手を振る破近。
「わかってますがなあ!」
ご褒美の薄紫がよほど嬉しかったのか、元気一杯のくの一。
一方の少年はというと、早くも虫眼鏡で海中を覗きこんでいる。
ご主人様の制止も何のその――その口より吐かれた炎、離れた松の木を一瞬にして燃え尽くしてしまった。
「ぎ、ぎゃっ! て、天狗だっ!」
破近、腰を抜かした相手に
「な? そんじょそこらの、おなごとちゃいますねん」
「くれぐれも、姐さんのこと頼むわな!」
沖に向かう舟に手を振る破近。
「わかってますがなあ!」
ご褒美の薄紫がよほど嬉しかったのか、元気一杯のくの一。
一方の少年はというと、早くも虫眼鏡で海中を覗きこんでいる。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。