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四十二

「では、手拭いだけ処分し忘れたと?」


「そ、そういうことになるな」


「それは何だか不自然のような気がします」


 食い下がる若者に、ややムキになる桜殿


「実際、そこに血の染みがあるではないか!」


「だからと言って、手拭いだけ中へ取り込むのを忘れたとか……」


 そこに顔を出してきた明智様


「手拭いのことは一旦置いといて……」

 わざわざ手振りまで加えたあと


「彦之助もお凛もね、主人と対峙してる時に刺したって言ってますよね?」



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