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三十四

「お、おマキが見つかったとな?」


 声を上げる木俣様に、偽破近が


「ええ、高輪の倉庫に。しかし少々衰弱してたんで、医者を呼んできた方がよかろうと」


「そ、そうか! よし! 医者を連れてすぐに参ろうぞ!」

 すぐに立ち上がったお奉行だったが


「で、二十衛門はどうした?」


 これに


「そこで括りつけています」


「お、そうか!」

 この時


「なあ、青き目。何で目をつむったままなんだ?」


「あ、いえ。何だか患いまして、開ける事が出来ずに」


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