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三十七

「ええ。で?」


「昔ながらと言えば良くは聞こえますが、それですと先細りは火を見るより明らかなもので」


「それを父上に意見されたと?」


「しました。が、かたくなに受け付けようとはせず……」

 そう答えた若者だったが、すぐに笑みを浮かべ


「これは商いの上でのことでして、だからと言って手をかける真似など一切ごさいませんので」


「そうですか」

 是とも非とも取れる言い方をする菊やんだが、そのとき外より聞こえてきた


「鶏ですか?」



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