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三十六
「あの人?」
予期せぬ語句に面食らった菊やん
「母上のお凛さんのことですか?」
「ええ。まだ三十路半ばで、とうていこの私を産み落とした風には見えませんから」
「ということは、亡き久衛門殿の後妻だと?」
「その通りで」
一つ頷いた隆三郎、すぐに吐き捨て
「所詮、金に目が眩んだ女ですから」
菊やん、これには答えることもなく
「では、父上について尋ねますが」
「このうるち屋は、西国より運ばれた米を仲買に売ってるわけでして」
「あの人?」
予期せぬ語句に面食らった菊やん
「母上のお凛さんのことですか?」
「ええ。まだ三十路半ばで、とうていこの私を産み落とした風には見えませんから」
「ということは、亡き久衛門殿の後妻だと?」
「その通りで」
一つ頷いた隆三郎、すぐに吐き捨て
「所詮、金に目が眩んだ女ですから」
菊やん、これには答えることもなく
「では、父上について尋ねますが」
「このうるち屋は、西国より運ばれた米を仲買に売ってるわけでして」
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