二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十四

　その問いかけには、菖蒲殿より

「案外と、その逆かもね」

　ここでようやく口を開いてきた男、ニヤリと

「やっぱ、おなごには手厳しいんやな」

「ど、どういう意味よ！」

「ま、ええやん」

　アッサリと無視し、話しも堂々巡りになったところで

「もう時も時なんで、明日もいっぺん集まりまひょ！」

　そしてその帰り道、片を並べて歩いている桜と明智の両同心。

「どうも重なるんだよなあ」

　こんな桜殿のつぶやきに

「もう、十年ばかし前ですねえ」