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三十二

 これに、申し訳なさそうに頭を掻いている偽破近


「いやあ、さすがにこやつの青き目までは」


 そこに本物が


「あ、阿呆やろ? すぐばれるに決まってるわ!」


 だが偽物も負けずに


「な、何を? ずっと目をつむっとくし!」


「はああ? 救いようのない阿呆や……あ、それはそうと」

 溜め息をついた破近、隣で澄ましている娘に向って


「おいこら! 何で仲間になったんや?」


 だがおマキ、これには毅然とした態度で


「それは、父上が鬼だからなのだ!」


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