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十三

 戸口に向かって駆け出した明智様だったが――早速、転がっている。


「あいたた……んもう、いったい誰なの!」


 そこに、その誰が


「真っ昼間から、何酔うてますん?」


「し、素面しらふですよ……って、貴方に会いに行こうとしてたとこですよ」


「このわいに?」

 己の鼻を差した破近、傍らのお凛に気づき


「それ、どなたはん?」


「それが……」


 そこに桜殿が続き


「うるち屋の女将だと」


「へ?」

 思わず声をあげた男


「今、行ってきたばかしでっせ」



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