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 そして近づき、その小刀を手に


「こいつでどこを刺したん?」


「よくは覚えておらず……」


 そんな相手に


「あんさんな、心の臓を見事一撃にて思いを達してるやん」


「そ、その通りでした。もう無我夢中でしたもんで」



 役人らに奉行所まで連れていかれる若者。その後ろ姿を見ながら


「旦那。誠にあっけない幕切れでしたな?」


 それに笑みを浮かべる破近


「朝ちゃんな、たまにはええんとちゃう?」


 だがこれは、単なる第一幕にすぎなかった――



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