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五
「さすがに気の利いた台詞を吐かれますな、青島……じゃなくって青き目様は」
ひとしきり感心した親分だったが
「そこをご覧なせえ」
その指差す方に初めて目をやった破近――してそこには、大量の血の中で仰向けになってる男がいる。
そして、その流れ出た血の具合を眺め
「仏はんになって間もないわな」
「へい、確かに。で、ここの主人の久衛門です」
「ところでな、朝ちゃん? 番屋に飛び込んできたっちゅう兄さんは?」
これに
「隣の部屋で、お役人らにいろいろ聞かれてる最中かと」