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「はい。実は……なる者……」


 そこに


「もう、皆が皆とも馬鹿にして!」


「ん? 何やて?」


「あ、はい。吟味……会い……」


 またもや


「これでもね、その昔は」


「ちょっとは黙らんかい、この坊主!」



 要は、吟味方に会いたい者が来てるらしい。

 それに外へと出た破近だったが


「また、おまえかいな! ここまで来るなっちゅうんや!」


 ここまで嫌われてるのは、この男しかいない――あ、いや、菖蒲殿も。


「そんなつれない」


「早よ言えって!」



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