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五十五

「そのもう一人とは、いったい誰じゃろ……とは言っても、わかりゃせんが」


 こんな先生に


「それも、おおよそ見当はついておりやす」




「またですかあ?」

 

 再び菖蒲殿に連れられ、のこのことやってきた弥助だが――目の前の、この世のものとは思えぬ形相に硬直している。


「いいか? 今から問いただすことに、一つでも偽りを口にしたら……」

 怖すぎる平次、あたかも地獄より上がってきた閻魔様の如く


「その舌、すぐに引っこ抜くからな!」



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