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百六十一 完

「じゃあ、そうします。お師匠さん、またお逢いしましょう!」

 くるりと背を向け去っていった――が、やはり腹の中に収めることのできぬ男、少々離れたところより早口にて


「普通は慌てふためき、小刀を床に落としそうなもんですよー。でも落ちてなかったところをみると、持ち帰ったはずでーそんな冷静さも持ち合わせてますよー」


「え?」

 これに驚いた菊やん、すぐに隣の御方にも


「え?」


「……あのド阿呆、言わんでもええことまで」



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