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百五十四

「結構、あちらこちら刺されていました」


「それをな、メッタ突き言うねん。でな? 振り回したっちゅうけんど、そんな引っ掻き傷ちゃうて刺し傷やわな?」


「それに相違ないかと」


 これに頭を搔く吟味方


「この辺りが微妙に食い違ってるんやわ」

 だが、気を取り直したのか


「で、又三はん? 他に言いたいことは?」

 それに首を横に振った相手。


「ほな、藤やんにガキンチョ。奉行所まで連れていき!」


 だが、母親より


「お、おやめください!」



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