二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

百四十一

　破近、これを予め想定していたのか

「ようやく気づかれましたわな？」

「……」

「要は……砒素を薬の中に混ぜる機会をもち、小刀の扱いすら満足にでけん非力なもんで」

　ここで視線を相手側へと移し

「そこのお冴ちゃんを奪われるのをすこぶる嫌悪し、おまけに、その紙切れが暗示するもん……これこそが、下手人の正体となりますわな？」

「うーん、三椏かあ……蜜豆なら知ってるんだけど」

　ここで、お馬鹿なことを口にしてきた明智様――