二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

百三十六

　この時、見るに見かねて口を開いてきた吟味方、まずは味方の面々顔を見ながら

「自分ら、ナカナカの線を突いてるわ」

　これに笑みを浮かべた面々だったが

「そやけんど……間違うてるわな」

　このまさかの発言に、いきなり狼狽える南町側。

　滅多なことでは動揺しない氷助すら

「お、お師匠さん！　な、な、何という事を！」

　そして菊、藤の若き同心も唖然とする中、明智様が

「もしや鈴木様って、裏切者？」

　これに一括した破近

「このド阿呆！」