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八十三

「や、やはり……」

 そして主人、懇願してきた。


「是非ともその紙を、この私にお見せくださいませ!」


 ここで言葉が詰まった破近に代わって、あっけらかんと


「もう燃えちゃったんです」


 これに即、吟味方


「ぱこん!」


「あいたたっ!」


「一言多いっちゅうんや!」


 一方


「も、もはやないと?」


 この愕然としている主人に、破近がアッサリと


「ま、そういうことですわ。そやからでんな、ご主人には何の紙切れが無くなったんかを調べて……」



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