3166/3502
六十九
「それが特に何も」
「そっか」
やや気抜けした吟味方。
「ひょっとしたら炙りだしでは……こう思い、口にしたところ」
藤殿も、その眼鏡の隙間より横目で見ながら
「菖蒲殿が、岡っ引きへ行灯に火を点けるよう指示され」
「何や、漏れるっちゅうにはデカすぎる事やわな」
「あ、はい。で、菖蒲殿が紙切れを、その火にかざされ……結局は跡形もなくなり」
「ん? いきなり飛躍したけんど?」
こう言ってきた破近だったが、即座に
「ははーん」
「それが特に何も」
「そっか」
やや気抜けした吟味方。
「ひょっとしたら炙りだしでは……こう思い、口にしたところ」
藤殿も、その眼鏡の隙間より横目で見ながら
「菖蒲殿が、岡っ引きへ行灯に火を点けるよう指示され」
「何や、漏れるっちゅうにはデカすぎる事やわな」
「あ、はい。で、菖蒲殿が紙切れを、その火にかざされ……結局は跡形もなくなり」
「ん? いきなり飛躍したけんど?」
こう言ってきた破近だったが、即座に
「ははーん」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。