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十三

 よもやの行動に驚き、手で制する誘拐犯


「ちょ、ちょっと待った!」


 これに澄まして


「ならばこの身に饅頭を与えるのだ!」


「はあ……何で、こんな小娘に顎で使われなきゃならないんだ?」

 そうブツブツぼやきながらも


「じゃあ買ってくるから、逃げんよう括りつけるぞ」


 そして柱に縄で縛られたおマキ


「手首が痛いのだ」


「そんくらい我慢せえ! いいな、大人しくしてろよ!」


 戸口へと向う相手の背に


「欲してるのは、鶴亀屋の饅頭だぞ!」


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