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五十三
「その隣がですな、噂のお冴になりますじゃ」
とても嬉しそうに紹介してきた主。
ずっとうつむいていた娘、ここでようやく顔を上げ
「冴にてございます」
これに一瞬、顎が落ちかけた探り屋。それもそのはず、この界隈にて五本の指に入るくらいの、その容姿――下から数えて。
だが仕事に差し支えるので、何とか踏ん張り
「さすがに女王蝉ですね」
「おお? これはまたとなき誉め言葉を!」
「見たままを」
「で、その隣も孫の又三ですじゃ」
「その隣がですな、噂のお冴になりますじゃ」
とても嬉しそうに紹介してきた主。
ずっとうつむいていた娘、ここでようやく顔を上げ
「冴にてございます」
これに一瞬、顎が落ちかけた探り屋。それもそのはず、この界隈にて五本の指に入るくらいの、その容姿――下から数えて。
だが仕事に差し支えるので、何とか踏ん張り
「さすがに女王蝉ですね」
「おお? これはまたとなき誉め言葉を!」
「見たままを」
「で、その隣も孫の又三ですじゃ」
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