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四十六
「せ、せっかくの証が……」
嘆く丸眼鏡くん、畳の上の黒き焦げ跡を見つめて
「あ、跡形もなく……ど、どうしよう」
「どうしようたってねえ……元々、貴殿が炙りだしとか言うからですよ!」
これに藤殿、眼鏡を上げるのも忘れ
「菖蒲殿も賛同されたこそ、火にかざしたんじゃ」
「うっ……あれはね、嫌々やったのよ、嫌々」
「そうは見えなかったですけど」
だが、ここでふと
「これがあの男にばれると、私って絶対に赤い紙切れものだから」
「せ、せっかくの証が……」
嘆く丸眼鏡くん、畳の上の黒き焦げ跡を見つめて
「あ、跡形もなく……ど、どうしよう」
「どうしようたってねえ……元々、貴殿が炙りだしとか言うからですよ!」
これに藤殿、眼鏡を上げるのも忘れ
「菖蒲殿も賛同されたこそ、火にかざしたんじゃ」
「うっ……あれはね、嫌々やったのよ、嫌々」
「そうは見えなかったですけど」
だが、ここでふと
「これがあの男にばれると、私って絶対に赤い紙切れものだから」
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