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三十五
この時、床上の者が叫び声を上げた。
「ええ。ところが今のが耳に入りましたので、思わず部屋の中までやってきた次第です」
「まこと、それだけでしょうな?」
含みのある言い方をしてきた相手だったが、同心の背後より、まるで岡っ引き如き氷助が
「実はヒソヒソ……あ、いえ、砒素という言葉が聞こえてきましたので」
これに苦虫を噛み潰したような顔をした主。だが相手は役人、すぐに観念し
「そこに転がっておる薬を飲んだ途端……」
この時、床上の者が叫び声を上げた。
「ええ。ところが今のが耳に入りましたので、思わず部屋の中までやってきた次第です」
「まこと、それだけでしょうな?」
含みのある言い方をしてきた相手だったが、同心の背後より、まるで岡っ引き如き氷助が
「実はヒソヒソ……あ、いえ、砒素という言葉が聞こえてきましたので」
これに苦虫を噛み潰したような顔をした主。だが相手は役人、すぐに観念し
「そこに転がっておる薬を飲んだ途端……」
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