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三十六

 屈んで、一つの虫眼鏡を覗き込んでるお二人さん。そこに外野が


「何だか気色の悪い図ですこと!」


「おいこら菖蒲! 自分が言うな、自分が! この男女!」


「あ、そこは女男でしょ……って、何を言わせるんです!」


 この時、お二人さんの間では


「何やら点々と落ちてますね?」


「確かに」

 桜殿、それを指にてすくい上げ


「こりゃ木屑だな」


「木屑、ですか」


 そう言いつつ、虫眼鏡を移動させている菊やん。

 これに桜殿、慌てて顔を寄せている。



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