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三十一

 これに吟味方、笑いながら


「あはは、そら見えへんわな。ほんなら掛け金が掛かってなかったかもしれへん……こう思うのも、有りでっしゃろ?」


「そ、そんな馬鹿な!」


「馬鹿? あのな、バケツの底みたいな桜はん?」


「とうとう異国の言葉まで使いおって」


「こら、えろうすんまへん。わいな、可能性を言ってますんや」

 

「じゃあ、掛け金じゃないとしたら、何故に開かなかったんだ?」


 至極当然の問いだったが


「そんなん知りまっかいな」



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